手から手へ—伝統的な鍼灸術・脉診流経絡治療

平林 眞冴 鍼灸院 秀鳳(勤務)

平林 眞冴

私は東洋はり医学会に所属して4年目になります。経絡治療を講習部で3年間学び、今も研究部で経絡治療を学び続けております。

なぜ東洋はり医学会に入会したか経緯をお話しさせて頂きます。

私は小学校4年生まで看護師になることが夢でした。しかし病院へ行っても治らない病気がたくさんあることを知り、病気を治すために多くの薬を服用し手術や点滴など様々な治療を受けているにも関わらず病気は一向に改善されず、免疫力は低するばかりで西洋医学や病院に対して疑問を持つようになりました。

そこでインターネットを利用し東洋医学を知り、
「身体をひとつのものとしてみる」
このひと言で鍼灸師になることを決意致しました。

高校卒業し、鍼灸専門学校へ入学したら東洋医学の勉強がたくさんできると胸を膨らませておりました。しかし私の通学していた専門学校は筋肉に鍼を刺すことしか教えてくれませんでした。脉診の実技時間は3年間でたったの30分程度でした。

伝統的な東洋医学の鍼灸治療を学びたかったので東洋はり医学会に入会致しました。

東洋はり医学会に入会して

あたたかくて優しい手で身体を触れ、一本の鍼と一捻りの艾で多くの患者さんを笑顔にし、病院へ通っても治らない、またはお医者さんから見放された患者さんが経絡治療により症状改善します。

そんな素敵な先生がたくさんいらっしゃいます。

経絡治療を学び続ける上で、座学で覚えることも必要ですが、「手から手へ」脉診流経絡治療という伝統的な鍼灸術を伝えてくれます。

東洋はり医学会の一番大好きなところです。

入会し、ご指導いただいたことが私の治療室を支えてくれています

品川支部 阿部 沙代子 おひさまはりきゅう治療室

阿部 沙代子

私が東洋はり医学会と出会ったのは、現会長である谷内先生の治療院に患者として通っていた事がきっかけです。仕事のストレスや疲れが原因で身体を壊していたのですが、ご縁があり鍼灸師の道に導いていただきました。鍼灸学校卒業後は、道しるべができあがっていたかの様に当学会に入会。初めての環境で、どんな先生方がいるのだろうと不安でしたが、講師の先生方が丁寧に技術指導をしてくださいました。開業したばかりで悩む事が多かったのですが、勉強会では図々しく先生方に相談し、どんな質問にも丁寧に答えてもらっていましたので、何とか臨床の場で活かしていくことができました。

この会に入会していなければ、私の治療室は今まで続いてこれなかったかもしれません。現在も勉強会の度に手技向上の手直しをしてもらい、知識を習得しています。何よりも温かく人情溢れる先生方ばかりで、私にとって心地の良い場所になっています。あなたも東洋はり医学会の仲間になりませんか?お待ちしています☆

文字通り『手から手へ』の指導

足立支部 藤澤 敏人 今治鍼灸院

藤澤 敏人

鍼灸師の国家免許を取ったのは、10年前、65歳の時でした。その後、東洋はり医学会に出会うまで、3年間2か所、別の勉強会に出席していました。

最初に行った会は、西洋医学的な勉強会で腰痛に対しては、ここにこういう風に鍼を打つ、というように教わりました。2か所目は、東洋医学的な鍼を教える会でした。本部会と支部会があり、支部会は個人的な指導をしている会でした。先生の指導を受けたいとお願いしたところ、いい返事を頂けなかったので、勉強会に行くのをあきらめました。

東洋はり医学会では、本部会、支部会ともに文字通り『手から手へ』脉の診方、腹診について教わり、おかげさまで開業することが出来ました。開業後も、頑固な便秘症、不眠症などについて、先輩、同期の先生方の指導を受けながら臨床を続けております。

今年度、56期生25名は、21歳から74歳の方が入会され講習を受けております。どこの会にしようと迷っていらっしゃるようでしたら、東洋はり医学会へ参加されることをお勧めします。まずは、支部会・又は本部会の聴講を受けられるのがよろしいかと思われます。

“一割”の鍼灸師になるために

高橋 祐太 はり・きゅう 慈雨治療院

高橋 祐太

鍼灸学校に入学した日に校長に言われたのは「この中で鍼灸師として生きていけるのは一割です」という衝撃的な言葉でした。21歳で資格を取得し、鍼灸整骨院に就職しましたが、この先自分が鍼灸を生業としていくためには「核」となる物がなければ生き残れないと思い、東洋はり医学会に入会しました。25歳で開業して実感したのは、「鍼灸師は孤独な職業だ」と言う事。基本的に全て独りで患者さんを診察・治療しなければなりません。自らが行った手技手法が正しいかどうか、確認するすべがない人がほとんどだと思います。入会する事により、日本全国の会員と同じ治療法を共有する事ができます。悩みや疑問をぶつければ、誠心誠意答えてくれる場所ができた事が、自分にとって大きな支えになりました。

東洋はり医学会は、前述の“一割”の集まりです。鍼とお灸と、自らの腕だけで生きていく為の“学と術”を、皆様と一緒に学んでいけたら嬉しいです。

患者様に喜ばれる治療法

熊谷 多薩 熊谷はり・きゅう院

熊谷 多薩

入会当初3年間は、他の鍼灸の講習会と併用して受講しておりました。しばらく東洋はり医学会の脈診流経絡治療と他の流派の鍼灸治療を併用していたのですが、東洋はり医学会で教わった通りに治療した方が患者様に喜ばれております。痛くなく熱くない鍼灸治療が患者様に安心して受診して頂けるからだと思います。

入会して10年が過ぎます。治療室を構え幸せに生活できていますので当会を選んで良かったと思います。

経絡治療家として

長崎支部 宮原 政光 みやはら鍼灸院

宮原 政光

鍼灸師という生き方に強い憧れと興味を持ち、13年間勤めた海上自衛隊を辞める2週間前、私が東洋はり医学会を知ったのはそんなときでした。父の紹介で訪れた鍼灸院で、初めて東洋はり医学会の鍼灸術に出会い、その鮮やかな手捌きにすっかり心酔し、即座に入会を決意しました。

当時、鍼灸師として生きる決断をしたものの、そこから先はまったくのノープランだった私にとって、それはなにかに導かれたように感じたことを、今でも覚えています。

入会後学術の研鑽も進み、いつの間にやら三代目となる長崎支部長に就任し、たくさんの仲間に支えられ、会員のみなさんと脉診流経絡治療の伝承に関わることに、自衛官の時にも感じ得なかった充実感と責任を感じています。

初めて東洋はり医学会の経絡治療を見た鍼灸師の方は、こんなこと自分にできるだろうかと思われることでしょう。でも大丈夫、あなたの鍼灸術に対する情熱があれば、その思いを大成するための学術研鑽の場が、東洋はり医学会には目白押しです。

本当に東洋医学を駆使して、本当に鍼と灸だけで治療ができる、本当の鍼灸師として患者の前に立つことができる、経絡治療家としての道を歩んでみませんか。

鍼灸師としての向上心と満足感

長崎支部 緒方 昭浩 緒方鍼灸院 脉泉堂

緒方 昭浩

人の輪の中に人は生き、人の「和」をつくりだすことで居場所を見出す。輪の中に居続けるために、他人を笑顔にする役割を果たしたい。この言葉は受け売りですが、つぶやくとなにか生き方を悟らされる気持ちになります。しかし、狭い輪の中で生活していると偏った考えに平均化され、成長も限られたところで止まってしまいます。大海にもまれても自分の考えがまとまらず、風見鶏みたいに意思を持たない人になってしまいます。ちょうど良い人の輪が、人には居心地が良く、生きている満足感も得られます。

居心地が良い人の「和」、疲れた気持ちも人の「和」で癒され、元気を取り戻せ、居場所として住みやすい輪として認めていきます。私が鍼灸師として何を目指すかも常に変化しています。少しずつ、輪の大きさは広がっています。支部例会へは課題を持って参加でき、話を聞いていただける先輩・仲間と話すのが楽しみです。本部機関紙・本部例会のCDも私の輪を広げる気づきとなっています。他の人を笑顔にできる人になれるよう生きて行きたいと願っています。